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コラム〈モデルハウスのインテリアコーディネート〉

Column -interior coordinating of model house-

ホームステージングとモデルルームの違いとは?知っておきたい5つのポイント

最近、何かと話題になっている「ホームステージング」。名前を聞いたことがある…という人も多いのでは? ステージング(staging)とは、「舞台上のように演出をする」という意味の英語。つまりホームステージングとは、「家(ホーム)」を素敵に演出して、よりスムーズな販売を目指そう!という方法、言うなれば住宅販売テクニックの一種のことなんです。

これだけ聞くと、「それってモデルルームのことじゃないの?」と思う人もいるはず。分譲住宅や分譲マンションのモデルルーム・モデルハウスとホームステージングは、確かに多くの共通点を持っています。でも実は、意外と「違い」がアレコレあるんですよ。今回はホームステージングとモデルルームの違いを、5つのポイントにまとめてご紹介していきます。

ホームステージングとモデルルームの違いとは?知っておきたい5つのポイント〈当ページの目次〉

1.扱う物件は「新築」?「中古」?

モデルルーム/モデルハウスとは、これから買う家に住まうイメージを体験できるためのいわば「サンプル」のような家・部屋のことを指します。日本では以下のようなスタイルでの展示が多いですね。

・モデルハウス(注文住宅タイプ):新築一戸建ての見本として、各ハウスメーカーが建築した一戸建て住宅サンプルのこと。住宅展示場、ハウジングセンター等に複数のメーカーのモデルハウスが集めて建築されるスタイルが多いです。各メーカーの特徴や最新型設備等をアピールした作りとなっているのが特徴。


・モデルハウス(分譲住宅タイプ):分譲住宅(一戸建て)の見本として、建築住みの住宅のひとつに家具やインテリア小物を設置し、公開するスタイルのモデルハウスです。


・仮設モデルルーム:建設中等の分譲マンション(集合住宅)で、その近くの設備を使い実物大に作ったモデルルームのこと。


・棟内モデルルーム:建設済の分譲マンションの一室(or数室)を使い、家具・インテリア小物等を設置して公開するスタイルのモデルルームのこと。


・サンプルルーム:キッチン、書斎、バスルーム、リビングルーム等、住宅設備や機能の「一部」を見学・体感できる展示のこと。シ販売中のマンションの一室を使うこともありますが、ハウスメーカー等の事業者のオフィスにサンプルルームを置くこともあります。

上記のようなモデルルーム・モデルハウスの共通点は、いずれも「新築物件である」ということ。一戸建て/集合住宅、注文住宅/分譲住宅といった違いはありますが、いずれも新築物件であることに変わりはありません。

これに対し、「ホームステージング」が扱うのは中古分譲マンション・中古一戸建てといった「中古物件」なんです! 従来の日本の不動産販売では、「これから買う人の購買意欲を掻き立てるために家のイメージを良くする」という販売方法は、前述したように「新築物件」に対してしか行われてきませんでした。中古物件はガランとした空室状態、もしくはまだ居住者が居る状態をそのまま見学…というスタイルが一般的とされてきたわけです。

ところが中古物件の売買が盛んなアメリカでは、1970年代頃から既に「中古の家をキレイに演出して、より早く、より高く売る」というホームステージングの考え方が生まれていました。この流れはヨーロッパにも徐々に浸透し、2000年代に入り日本にもホームステージングの概念が導入されます。

日本の不動産市場でもホームステージングによる売却価格アップ、販売効率アップという効果がみられたことで、「ホームステージング」を使った中古物件に一気に注目が集まるようになったんです。

2.「居住中の家」を演出することも

モデルルーム・モデルハウスの場合、その部屋が空っぽの状態(まっさらな状態)なのは当然ですね。ところが中古物件を扱うホームステージングの場合、そうとは限りません。

中古物件の売却では、既に入居者が退去しているケースもありますが、売買契約直前まで入居者が居住しているというケースも多々あります。このような「住まいながら売りたい」という人の需要にも、ホームステージングは答える必要があるんです。そのためホームステージング業者の多くは、以下の二種類のホームステージングを請け負っています。

完全な空室の場合のホームステージングのプロセスは、かなりモデルハウス/モデルルームに近いところがあります。

家具・インテリア小物等がほぼ無い状態なので、0からインテリアコーディネートを立案し、家具類等のレンタル計画等を立てていくのです。

ところが居住中の住まいをホームステージングする場合、そのプロセスはモデルルームとはかなり違ってきます。ベッドやダイニングテーブルといった基本的な家具類はそのまま使用したい…という要望が出るケースも少なくありません。現在の居住者の生活スタイルや家具の配置を大きく変えずに、「センスの良い部屋」の演出を行う。そんなテクニックが必要となる場合も多いんです。

3.片付け・クリーニングの知識や整理収納スキルは必須!

モデルルーム・モデルハウスの場合には、家やお部屋の外側は出来上がったばかり。ピカピカの状態ですから、家具搬入をする前にそこまで徹底したお掃除が必要!ということはありませんね。ところが「ホームステージング」の場合、部屋の「演出」をする以前のプロセスとして「片付け・クリーニング」等の知識は必須となります。

なにしろ取り扱うのが中古物件ですから、部屋の状態をしっかりとチェックしなくてはなりません。いくら素敵な家具やインテリア小物で部屋を飾っても、明らかに壁紙が汚れていて薄暗い印象だったり、台所等の水回りが曇ってるようでは、購入希望者側の印象は良くないですよね。

中古物件の販売をできるだけスムーズに、かつ有利に運ぶために、ホームステージングを行うホームステージャー達はまず「どの程度の清掃・補修が必要か」を適切に判断する必要があるのです。

カンタンなクリーニングや補修で対処ができるレベルであれば、ホームステージャー(ホームステージング業者)が自身でその作業を行います。また、より専門的なクリーニング(あるいは補修・リフォーム)が必要と考えられる場合には、その概算を出してお客様に提案をしたり、希望がある場合には専門業者を紹介する場合も出てきます。

「どの程度キレイにすれば高く売れるのか」「購入希望者が内見する時、どんなところをチェックされるのか」…ホームステージングではそんな知識も必要になってくるんです。

また居住中のお家をホームステージングする場合、より広々とした空間演出を行うために、お部屋の「整理整頓」を行うことも多々あります。あまり使わないお荷物や家具類等を一時的にお預かりしたり、更に「もう不要」と判断された家具類等の処分の相談に乗ることも。ホームステージングを行うホームステージャーは、片付け・掃除・整理整頓・不用品処分と、幅広いスキルを問われる職業なんですね。

4.ひと目で心を掴む!ポイントを抑えたインテリアコーディネート

一般的なモデルルーム・モデルハウスの場合、リビングルームやベッドルームはもちろん、バスルームやトイレなど、見学者は希望するほぼ全ての部屋をじっくりチェックすることができますよね。収納スペース等をどんどん開けて見て回っても、誰も文句は言いません。

ゆっくりと置かれているソファに座って、実際に暮らしているイメージをふくらませる人も居ることでしょう。つまり部屋に対するポジティブなイメージを抱ける時間が長い、その家が欲しくなる機会が多いというわけです。

ところが「入居中の中古物件を内覧する」ということになると、見学者側はなかなかこのような「じっくり内見」をすることができないもの。入居中の売り主さんが住んでいる家だと、人はいろいろと気を遣ってしまいがちです。

「この収納を開けても良いんだろうか…」と考えてしまう人も居ますし、完全空室の場合に比べると滞在時間も短くなってしまう傾向があります。売主さん側の要望で、「トイレ見学はNG」「お風呂見学はNG」といった制限がかけられることも。欧米ですとあまりこのような傾向は無いようなので、やはりお互いに気を遣いがちな日本人らしい特徴と言えるでしょう。

つまり入居中の部屋でも「この家、良いな!ほしいな!」と思って貰うためには、短い見学時間でもポジティブなイメージを抱いて貰うことが大切ということになります。そのためには、部屋のメリットを適切に伝えるような、ポイントをしっかり抑えたインテリアコーディネートをすることが重要。

例えば出窓が魅力的な部屋なら窓側に観葉植物を置いて目を惹く、天井が高い部屋なら間接照明で高さをアピールしてみる、玄関先に印象的なデコーレションをする…「家や部屋に入った最初の5秒」で見学者の心を掴むことで、見学者の購買欲求は大きく変わってきます。

スピーディーに見学者の心を動かせるようなインテリアコーディネートを行えるか?そんな手腕が問われるんです。

5.より細かな「ターゲット層の選定」が大切

住宅展示場のモデルハウスを見て、「これはさすがに買えないけど、ステキだな、憧れる」と思ったことがある…という人も多いのではないでしょうか。新築注文住宅が欲しい!と思っている人のための「モデルハウス」では、メーカーの最先端技術が生えるインテリア・最先端かつスタイリッシュなトレンドを取り入れたインテリア等が使われることも多いです。

実際の購買価格よりは高いものであっても、まずは「こんなステキな家が欲しいな!」という、住宅購入に対して漠然とポジティブなイメージを持ってもらいたい…というわけですね。

これに対して、中古物件の販売ではより綿密なターゲット層の絞り込みが必要になってきます。「その家・その部屋を気に入りそうな層」がどこなのかを考え、適切なインテリアコーディネートを行わなければ、ホームステージングによる演出効果が半減してしまうからです。ターゲット層の選定を考える上では、以下のような要素も重要になってきます。

【ターゲット層選定に使われる要素】

・物件の間取り
・部屋の広さ
・部屋の設備・機能
・階数
・家の立地、最寄り駅
・周辺環境

例えば間取りが1DKの場合、基本的には単身の方向けの物件と考えられるのは当然です。しかしこれで「階数が1Fで、道の人通りが少ない」となると、女性の方は防犯のために1Fを避けることが多いので、男性向けの販売に力を入れた方が売れやすい…ということが考えられます。反対に2F以上で、キッチンが広めで3口コンロがある部屋だったらどうでしょう?お料理が好きな女性に好まれやすい可能性も高くなりますね。

最寄り駅はどこか?、駅からどの程度離れているのか?部屋の周辺にどのような施設があるのか?…このような要素でも、その家がどんな層に好まれるかは変わってきます。そして「30代に入ったばかりのDINKS世帯」と「40代の子育てファミリー世帯」では、当然ですが「好むインテリアスタイル・インテリアコンセプト」には大きな違いが出てくるもの。

ターゲット層に合わせたインテリアコンセプトで演出を行うことで、はじめて「中古物件がスムーズに高く売れる」というテクニックが成立するんですね。

適切なターゲット層の絞り込みとインテリアコンセプトの確立を行うには、「インテリアの知識」があるだけではNG。不動産知識やマーケティングの知識も持つ必要が出てきます。実際、ホームステージングを行う企業の中には、担当する家の周辺調査等を丁寧に行う業者が珍しくないんですよ。

おわりに

ホームステージングとモデルルームの違いの5つのポイント、いかがだったでしょうか?ホームステージングの人気が上昇するにつれて、ホームステージャーの活躍の場は徐々に広がりを見せています。最近では、「賃貸物件」のホームステージングを請け負う業者も増えてきました。

ホームステージャーの活躍の場が増えることで、ホームステージングに対する一般的な認知度も今後上がっていくことでしょう。10年後・20年後には、中古物件や賃貸物件をステキに演出することが一般的になっているかもしれませんね。


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