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コラム〈モデルハウスのインテリアコーディネート〉

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話題のホームステージングとは?概要や使用家具、資格について解説します

現在、大きな注目を集めている「ホームステージング」。ネットや雑誌等でその単語を見聞きしたことがある…という人も多いのではないでしょうか?

ホームステージングはインテリア業界はもちろんのこと、住宅販売業やマンション経営・不動産関連・引越し関連等、幅広い業種の人達からも目が離せない存在となっているようです。

今回はホームステージングがどんなものか?という概要や、ホームステージングで使う家具、関連する資格等についてわかりやすく解説していきます!

話題のホームステージングとは?概要や使用家具、資格について解説します〈当ページの目次〉

ホームステージングとは何?概要と歴史

「ホームステージング」とは、英語の「HOME(家)」と「STAGING(演出する)」を組み合わせた言葉です。「家や部屋を素敵に演出しよう」という意味合いなのですが、一般的な「生活の中でインテリアを楽しむ」という意味とはちょっと異なります。

ここでいう「HOME」とは、主に中古の一戸建てやマンション等、今後の販売を考えている(もしくはすでに販売が行われている)物件なんです。「売り出す中古マンション・中古一戸建てをキレイに飾って見栄えを良くして、購入希望者の印象を良くしよう!」という方法のひとつというわけですね。中古の家をモデルルーム風に演出する…と考えるとわかりやすいでしょう。

「ホームステージング」という考え方は、アメリカを中心にして世界に広まりました。もともと欧米では中古物件の販売・購入が日本よりも盛んに行われていたのですが、1970年台頃から「ホームステージングをすることで、より高く、より早く中古の家が売れる」という考え方が定番になりました。

アメリカでは、ホームステージングをしている家の方がしない家に比べて販売スピードが300%近くも早いとも言われているほどなんだとか。日本には2010年台に入って「ホームステージング」の考え方が輸入され、各方面から注目を集めるようになっています。

ホームステージングの効果、中古物件が売れる理由とは?

中古の家をキレイに飾ることで、物件がより高く売れる、より早く買い手がつく…この理由はどうしてなんでしょうか?

●空き室の「殺風景さ」を柔らかく

既に居住者が退去している場合の中古マンション・中古一戸建て物件の場合、従来の販売方法ではガランとした空室のままの状態を購入希望者に見せていました。賃貸物件や中古分譲物件等をお探しになった経験がある…という人なら経験があると思うのですが…この「ガランとした物件」って、以下のような様々なマイナスイメージを見学者に与えてしまうんです。

・その部屋で暮らすイメージが湧きにくい
従来の空室の中古物件を見た見学者のうち、「この部屋にどんな家具を置くか?どのように暮らすか?」をリアルに考えられる人は全体の15%程度に留まるというアンケート結果も出ています。


・冷たい感じを与える
もともと間接照明等が無い物件の場合、部屋の中は据え付けのシーリングライトのみで照らされることになります。特に天候の良くない日・日当たりの良くない物件や夜間の見学等の場合、蛍光灯のみで照らされる部屋は薄暗く感じられたり、冷たさが目立ってしまいがちです。


・殺風景な印象を与える
カーテンやラグ等のファブリック類・家具類の無い部屋は、病院のような殺風景で寂しい印象を与えます。


・部屋の欠点が目立ちやすい
家具等のエレメントが一切無い部屋の場合、見学者の目線は「窓の大きさ」「日当たり」「窓からの景観」「水回りの広さ」「部屋の備え付けのモノの機能・新しさ」等ばかりに目が行ってしまいがちです。物件の窓が小さい、日当たりが今ひとつ…といった何かしらの欠点(弱点)がある場合、まず最初にその部分に目が行きやすくなります。

ホームステージングで家具や小物等を適切に置き空間演出をすれば、上記のようなマイナスイメージを見学者に与えてしまう機会を減らし、よりポジティブな「暮らすイメージ」を与えることができます。

●「生活感」を減らしてオシャレに

中古マンションや中古一戸建ての場合、販売開始の時点では持ち主がまだ住んでいるというケースが多々あります。

この場合には、居住中の部屋を見学して貰う(もしくは居住中の写真を見学者が見る)ことになるわけですが…完全な空室の欠点が「殺風景さ」であったのに対し、居住中の部屋は「生活感がありすぎる」のが販売の弱点になってしまうんです。

・モノが多すぎてゴチャゴチャしている
新築マンション・新築一戸建て用のモデルルームやスッキリとしたホテルのお部屋等の場合、家具・小物のすべてを含めた「モノ」の数は一部屋あたり100点前後に抑えられています。ところが実際に生活しているお部屋の場合、「外に出ているモノの数」は5,000点近くになることも!あっちこっちにモノが出ているせいで生活感が出すぎてしまい、見学者が「家の素敵さ」に気づかなくなってしまうことが多いです。


・使用感が目立つ
いくら「売る時にはキレイに直します」「売却時にはクリーニングが入ります」と言われても、見学時に部屋が汚ければ見学者はその家に良いイメージを持てません。壁紙の汚れ、水回りの汚れと行ったちょっとしたお手入れの違いで、見学者の購買意欲は大きく左右されてしまうんです。

「ホームステージング」では、上記のような居住中の部屋の片付けやクリーニング等を行った上で、家財をある程度まとめたり、整理収納の見直しを行ってお部屋をスッキリと見せ、またインテリア小物等をプラスして家全体を演出します。「美しく暮らしている家」を演出することで、見学者は「自分もこんなふうに暮らしたい、暮らせる」とイメージしやすくなり、契約に意欲的になるというわけですね。

ホームステージングの「家具」はどうしているの?

中古マンションや一戸建てを素敵に演出する「ホームステージング」。ではその演出に必要となる家具やインテリア小物は、どのように準備をしているんでしょうか?またホームステージングで使用した家具はどうなるんでしょう?ここではその点について説明していきます。

●欧米では意外と多い「購入・買取方式」
アメリカ等の欧米の「ホームステージング」で意外と多いのが、中古の家と家具をそのままセットで販売してしまうというパターンです。テーブルやソファ・照明といった大きな家具等はもちろん、カーテンや食器等の小物類までまとめて販売するケースも珍しくありません。

この場合には、家具は居住者が元々持っていたものを使用する(家と一緒に中古販売する)か、ホームステージングを依頼してからインテリアのイメージに合うものを選び、購入をして準備をしておきます。

「家具付きで家を売買する」というと驚かれる方も多いかもしれませんね。でも日本以外の国だと、特に賃貸物件では「丸ごと家具付き物件」が主流となっている国は多く、中古分譲物件の場合でも家具付き物件は人気があります。ホームステージングで内装と合ったセンスの良いインテリア家具・小物で揃えられた家の場合、「購入前よりも高く家が売れた!」という事例もあるほどなんです。

日本でも、ホームステージングの概念が導入された初期にはこのような「家具購入(もしくは居住者の家具をそのまま使用)でホームステージング→家・家具をセットで販売」という方法が行われていました。しかし現在ではこの「購入・買取方式」は少なくなっており、後述する「レンタル方式」が主流となりつつあります。

●日本で人気の「レンタル方式」
現在の日本での「ホームステージング」で最も主流かつ人気となっているのは、ホームステージング用に家具をレンタルする方法です。有資格者であるホームステージャーやホームステージング業者は物件のターゲット層が好むインテリアスタイル・インテリアコーディネート・配置場所をあらかじめしっかりと練っておき、スタイルに合う家具(ソファ、テーブル、チェア等)を専用の業者からレンタルしてきます。家具の設置等はホームステージング業者が行います。

レンタル方式の場合、物件の売約が決まったらレンタル契約を終了し、家具は搬出して返却するのが一般的です。しかし業者の中には、購入希望者が居る場合には家具買取OKとしているところもあります。

●居住者の家具を使用・一部を預かり
現在居住者が居る物件の内見対策の場合、家具は居住者が使用しているものをそのままホームステージングに使用するケースも多いです。ただ家具の点数が非常に多い、インテリアのスタイルが揃っていない…といった場合には家具・荷物類の一部をホームステージング業者側が預かることもあります。また大きな家具類は現状のものを使用し、照明・家電や小物類等だけをレンタルで行うこともあります。

ホームステージングの資格ってあるの?

ホームステージングの歴史が古いアメリカでは、1980年台にはホームステージングの有資格者である「ホームステージャー」達が活躍してきました。日本でも2013年8月に一般社団法人 日本ホームステージング協会が設立。2015年から民間資格制度として「ホームステージャー1級」「ホームステージャー2級」の講座ならびに資格認定の試験を実施しています。

ホームステージャー2級資格とは?

ホームステージャー2級は、ホームステージングを行う上で必要となるベーシックな知識を有していることを証明する資格です。資格取得に必要となる講座では、インテリアの基礎の他、ホームステージングでは欠かせない「片付け」「掃除」の基本について、また遺品整理についての知識等を学びます。講座では座学に加え、グループワークも行います。

ホームステージャー2級は受講資格・受験資格が特にありません。「インテリア関連の資格に初挑戦!」という人でも受講・受験をすることができます。

ホームステージャー1級資格とは?

ホームステージャー1級資格とは、より実務に即した知識を有することを示すホームステージングの上級資格です。「片付け」「掃除」についての応用的・実践的な知識を学ぶ他、家具の搬出・搬入等に必要となる知識、ホームステージング後に行う写真撮影のテクニック、お客様へのプレゼンのテクニック等も学んでいきます。またインテリアについても、より専門的な知識を学びます。1級講座では座学に加えて、実務研修が行われるのが特徴です。

ホームステージャー1級は、ホームステージャー2級の資格を有している人でないと受講・受験ができません。


2017年3月には、ホームステージャー有資格者の数は1,000人を突破。インテリア業界からだけでなく様々な業界からも受講希望者・試験希望者が増加しており、1ヶ月に100人ペースでの有資格者を輩出するようになったことから同年度中には有資格者は2,000人を越えたと推測されています。

インテリアデザイナー、インテリアコーディネーター等、既にインテリア関連の資格を持っている人・インテリア関連で働いている人が、更に資格をプラスするケースが比較的多いようです。またホームステージングの人気が上がるにつれて、リフォーム関連業者・不動産関連企業の社員・引越業者・マンション管理者等からも資格取得希望者が増えています。

おわりに

ホームステージングの効果は非常に大きく、3年近くも売れていなかった物件がホームステージングによって1ヶ月で売れた!といったケースも珍しくないのだとか。また最近では、分譲物件だけでなく「賃貸物件」でもホームステージングを行うマンションもがえています。

ホームステージングの可能性は、今後ますます拡がっていくことでしょう。「インテリアコーディネーターの資格を持っているけれど、活躍の場をもっと広げたい」という人や、「インテリアに関わる仕事がしてみたい」という人は、ホームステージャー資格も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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